高枝 景水
天正十年六月、備中高松城を攻める羽柴秀吉のもとに、主君・織田信長が本能寺で斃れたという衝撃の報せが届く。後ろ盾を失い、敵味方も定かではない絶望の中、秀吉は信長との最後の対面で交わした言葉を胸に、ある決断を下す。それは毛利との和議を急ぎ、畿内へと取って返す「中国大返し」の敢行だった。羽柴家の存亡を賭けた、秀吉人生で最も過酷な十四日間が幕を開ける。天下人への道を駆け上がる、スリリングな歴史ドラマが今、始まる。