イトイ圭
高校2年生の文学少女・頬子(ほほこ)は、図書委員で転校生の八尋(やひろ)と出会う。花と音楽を愛する八尋は、なんと頬子の父がボーカルを務めるバンドの大ファンだった。私語禁止の図書室で、二人は探り合うような会話や筆談を重ね、少しずつ距離を縮めていく。しかし、お互いが求めるものには微妙なズレがあり、その関係は一筋縄ではいかない。ひと夏の物語を軸に、高校生たちの繊細な心の揺らぎ、そして彼らを取り巻く家族の過去と現在が交錯する。切なくも温かい、心に深く残る青春群像劇だ。