岩岡ヒサエ
雑居ビルの1階で喫茶店を営む三雲さんと、2階で雑貨店を営む谷野くん。お互いに惹かれ合う二人の恋は、なかなか進展しない。そんなもどかしい二人の関係を、ひそかに見守る存在がいた。それは谷野くんの亡き母の魂が宿るマチ針と、三雲さんがかつて飼っていた犬の霊だ。彼らは羊のぬいぐるみに乗り移り、時にコミカルに、時に温かく二人の恋を応援する。ビルオーナーの死で店を移転することになっても、なぜか隣同士になった二人は、それぞれの店を盛り上げながら距離を縮めていく。じんわりと心温まる、不思議なスロー・ラブ・ストーリーだ。