大瀬戸陸
大好きだった兄が突然姿を消した。残されたのは、巷を騒がす殺人鬼「A」に人質にされたという情報と、ネット検索にも引っかからない謎の街「影霧街」のメッセージだけだ。女子高生・森口美音は兄を探し、禁忌の街へと足を踏み入れる。そこは暴力と犯罪が横行し、人間が“商品”として扱われる警察すら手を出せない無法地帯だった。美音は汚職刑事・涸沢と出会い、兄と殺人鬼「A」の行方を追うことに。極限まで追い詰められる精神と肉体、救いのない展開が読者を深淵へと誘う。人間の醜さと美しさが交錯する、凄絶なアンダーグラウンド捜索劇だ。